子どもの発達がゆっくり…受診の目安と医療機関の選び方|理学療法士が解説

「歩くのが遅い」「言葉が出ない」「他の子と違う気がする…」

そんな不安を感じたとき、
「受診すべき?」「様子を見ても大丈夫?」と悩まれる保護者の方は多いです。

この記事では、理学療法士の立場から、
受診を検討する目安札幌市内で発達相談ができる主な医療機関 をご紹介します。

目次

発達が「少し気になる」と感じたときに見るポイント

発達は「できる・できない」で判断するものではなく、
その子のペースや特性を理解すること が大切です。
ただし、月齢や年齢に比べて発達の進みがゆっくりな場合は、
早めに専門家へ相談すると安心です。

こんなサインが見えたら相談を

・1歳を過ぎても立てない

・2歳を過ぎても言葉が出ない

・手足の動きがぎこちない、片方ばかり使う

・周囲との関わりに興味を示しにくい

・音・光・服の感触などに強く反応、または鈍感

「診断が必要かどうか」を気にしすぎず、
「相談して安心する」ことを第一に考えましょう。

受診を検討すべき5つのサイン

分野受診考慮のサイン
運動立つ・歩く・座るが極端に遅い/転びやすい
言語
2歳を過ぎても言葉が出ない/言葉の増え方がゆっくり
感覚音や光に強く反応する/服の素材を嫌がる
社会性
他の子への関心が薄い/目が合いにくい
総合
健診で指摘を受けた/全体的な発達に不安がある

発達の遅れの背景には、脳や筋肉の使い方の個人差や環境などが影響している場合もあります。
医療機関で早めに評価を受けることで、リハビリや療育につながるケースも多いです。

受診前に準備しておくと良いこと

受診の際は、以下のようなメモを持参すると、診察がスムーズになります。

1. 気になり始めた時期
2.家庭や園での様子(違い)
3.できること・苦手なこと
4.健診や相談で指摘された内容

数行でも構いません。「日々の気づき」を書き留めておくことで、
医師が発達の経過をより正確に判断できます。
また、日常の様子がわかる動画などがあると更に伝わりやすいです。

札幌市内で発達相談ができる主な医療機関

発達外来や小児リハを行う医療機関は、紹介状が必要 または 予約制 の場合が多いです。
まずは かかりつけ小児科 に相談し、必要に応じて紹介を受けるのが一般的です。

医療機関特徴・受診方法
北海道立子ども総合医療・療育センター(手稲区金山1条1丁目)北海道全域の小児リハ・神経・整形分野を担う専門病院。発達外来・療育評価を実施。紹介状必須/予約制。
札幌医科大学附属病院 小児科・リハビリテーション科(中央区南1条西16丁目)発達遅滞・脳性麻痺・神経発達症などの評価。理学療法士・作業療法士も関与。紹介状必須。
北海道大学病院 子どものこころと発達センター(北区北15条西7丁目)医師・心理士・療法士が協働し、発達・行動の総合的評価を行う。紹介状必須/初診制限あり。
市立札幌病院 小児科(中央区北11条西13丁目)一般小児診療と発達相談に対応。かかりつけ医紹介での受診がスムーズ。紹介状推奨。

医療機関と福祉機関の違い

医療機関は「診断・評価・治療」を目的とするのに対し、
児童発達支援事業所(例:こども発達支援coconone)は「発達を促す継続的支援」を行います。

目的医療機関児童発達支援(cocononeなど)
評価医師・心理士・PTなどが発達検査を実施遊びや日常の動作を通して発達を評価
内容医学的診断・治療方針発達支援・生活支援・親子支援
制度医療保険福祉制度(1割負担・無償化あり)

医療と福祉はどちらも重要な役割を担います。
連携して関わることで、お子さんにとって最適な支援が可能になります。

まとめ|早めの相談が、安心への第一歩

・「様子を見る」よりも「相談してみる」が早期支援の近道
・医療機関では診断だけでなく、次のステップへの提案もしてもらえる
・札幌市では医療・行政・福祉の連携が進んでおり、相談先が充実している

まずは かかりつけ小児科 に相談し、必要に応じて発達外来を受診しましょう。
その後、療育支援(児童発達支援)とつながることで、安心してサポートを受けられます。

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この記事を書いた人

こどもの理学療法士です。

小児専門の道立病院にて14年勤務。
現在は空気のおいしいところにひっそりと事業所を建てました。
札幌市「こども発達支援coconone」で親子通所支援や個別リハビリを行なっています。

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